こんにちは、りゆうです。今回は前回の続きに繋がる記事、バックテストツールの公開です。
トラリピなどのFXの自動売買は初心者でも様々な設定で簡単に運用を始めることができて面白いのですが、
バックテストを行うことでその設定がどの程度利益を出せるのかを検証できます。
もちろん解析するのは過去の値動きを元にした結果なので未来はどうなるかは分かりません。
もっと言ってしまえば研究室等では実験結果から有意差検定を行いさらに偶然性を排除する検証も必要ですが、
そこまでするのはさすがに非現実的です。
とはいえ、何ら根拠が無い結果よりも何かしらの数的証拠から得られた結果の方が信頼性が向上するのは言うまでもありません。
僕も理系なのでこういうことを考えるのは結構好きだったりします。
投資家の理論的考察、結構好きです。
感情で投資は危険ですからね!
現在、FXのバックテストは主にMT4というツールを使うのが主流です。
以前も記事にしたことがありますが、いかんせん難題なのはちょっとマニアックという点です。
ヒストリカルデータを目的の時間軸に変換してオフラインのMT4上でトラリピEAを動かして・・いかにも面倒な気がしますよね。
海外のFX会社を使うのもマニアックな印象カメ〜。
初見だと怪しい匂いがぷんぷんしますからね。
トラリピなどの自動売買をする方が増えてる反面、このような事情からバックテストは敷居が高いのが実情です。
またMT4はその会社で扱っていない通貨ペアに関してはテストできないというデメリットも存在します。
先日複数通貨ペアでの設定記事を解説しましたが、なんとCNHJPY(人民元円)はXM Tradingなどで取り扱いがないため検証ができませんでした。
そこで今回はこれらの問題をちょっと解決し、よりユーザーライクで使いやすいバックテストツールを作ってみました。
このツールの特徴は以下のとおりです。
一方でデメリットは以下のとおりです。
ダウンロードはこちらからどうぞ!
トラリピバックテスト
トラリピバックテストツールの概要
シートは売りと買いのシートに分かれています。
各シートは大きく3つに分かれており、左側の黄色い部分に為替データを貼り付け、
右側の黄色い部分にトラリピの設定を入力すると各種結果を解析できます。
トラリピバックテストツールの使い方
日足データの入手
まずは元になる通貨ペアの為替データを入手する必要があります。
MT4ならばFXDDやFXTFなどから1分足データをダウンロードし好みの時間軸に変換する必要がありましたが、その必要はありません。
為替データはビットコインのピラミッド積立でもお馴染みのinvesting.comからダウンロードしましょう。
例えばCADJPY(カナダドル円)を検索してみました。
目的の通貨ペアから時間足を日足に設定し、期間を選択しダウンロードします。
するとCSVファイルがダウンロードできるのでグーグルスプレッドシートにアップロードします。
日足データのインポート
ファイルからインポートを選択してCSVファイルをアップロードし新規シートを挿入します。
そのままだと日付が逆に並んでいるので昔→現在へと並び替えます。
これで目的のデータをバックテストツールに挿入できました。次に計算シートにコピー&ペーストします。
トラリピ設定
日付と始値をコピーして、バックテストシートの黄色部分に貼り付けします。
※終値でも構いませんが、MT4で日足データを使ってバックテストをする場合、始値を使用することが多いためです。
そのままだと文字の大きさが違い見づらいので日付と為替レートの文字の大きさは7ポイントに変換しています。
これで期間データを解析する準備ができました。
次にトラリピの設定を入力します。
トラリピの設定を入力すると右側のセルに指値と決済値が反映されます。
トラリピバックテストの開始
始める前の注意点ですが、初めのレートのみコピーして上2段に貼り付けをしてください。
詳しくは割愛しますが、最初の2行は正しく動作させるためエラーチェックの行です。
成行でポジションを取ってすぐ決済するようにしてます。
結果にはこの部分は入りませんが、正常動作させるための作業なので注意して下さい。
最終日まで関数を伸ばしていきます。
空白のD列も含めて最終日までドラッグしてください。
以上で設定は完了です。
シートの各部分に決済や含み損などが反映されます。
また最大含み損に達した日とその含み損の額がわかるようになってます。
例えば、CADJPYを2021/4/1〜2021/7/30までのデータで元に以下の買いトラリピでバックテストしてみました。
かなり適当にザクっと入れてみました。
レンジが狭いので上手くハマれば利益が出そうな一方で著しく決済幅が狭いので小刻みに決済するパターンですね!
果たして結果はどうなるんでしょうか?
結果は最終的な利益が15,900円に対し4/21の時点で含み損が-66,120円に到達してます。
グラフを見ると明らかですが、含み損の割に利益が少ない結果となりました。
やはり決済幅が小さすぎるので利益を取りこぼしているような気がしますね!
一方、決済幅を0.5円にして見るとどうなるか確認して見ました。
その結果、ポジション量が変わらないので含み損の大きさは変わりませんが累積利益は59,500円になりました。
グラフでもわかるように利益曲線の傾きが大きくなっていることがわかります。
以上が今回作成したトラリピバックテストツールの紹介でした。
もちろんMT4を使った方が高度な解析が可能ですが、これからトラリピを始める方や簡単にバックテストをやってみたい方、MT4の前段階でスクリーニングを行う方にもおすすめです。
実はこのツールを作るのに連休をほとんど使い果たしてしまいました。。。
この努力が何かに結びつくと良いのですが、、
最北投資ブログでは他にも多種多様なツールを公開していますので良かったら使ってみて下さいね!
<トラリピバックテストツール>
トラリピバックテスト<トラリピ管理ツール>
トラリピ管理ツールテンプレートトラリピのポジション、含み損、維持率などをリアルタイムに把握できるツールです。
手動トラリピで僕が使っています。
<スワップシュミレーションツール>
マイナススワップシュミレーションツールバックテストの結果に想定スワップを付与した結果を反映するツールです。
スワップの付与ルールは各社によって異なるのであくまで参考値としてシュミレーションを行います。
高金利通貨やマイナススワップの通貨ペアを扱う場合のチェックに使います。
<株(ETF)積立バックテストツール>
ETF積立シュミレーション株などの現物資産を積立した場合、元本に対し評価額の推移をテストできるツールです。
口数指定で購入する場合を想定しています。
<BTC積立バックテストツール>
BTC積立バックテストBTCの金額指定購入や投資信託など金額単位で積立するケースをテストします。
ドルコスト平均法の効果判定をします。
<GEMFOREX見積もりシート>
GEMFOREX見積もりGEMFOREXで両建てスワップ投資を行う際の見積もりができるシートです。
この手法はロットが大きいため資金管理を誤らないよう注意が必要です。
トラリピバックテストツールのまとめ
今回はツールの紹介のみになってしまいましたが、
以前解説した複数通貨ペア運用における含み損分散効果の検証をしたいと思ってます。
このツールはまだβ版なので随時アップデートが必要です。
今後もエラーチェックを重ねドルストレートなどの通貨ペアや細かい時間軸への対応なども行う予定です。
複数通貨ペア運用における含み損分散効果の検証って論文みたいカメ
職業変えますかね。