最北投資&ポイ活ハイブリッド運用のりゆうです。
世間は株高、TQQQやFASなどの自動売買が流行ってますね。そんな中で全く人気の無い話をします。
今回はオプション取引の解説です。
自分は自分興味のあるとこに我あり
トラリピはイフダン注文をズラッと並べる手法ですが、
このイフダン注文の中身は最初から決済価格を決めて損切りせず長期ガチホする手法です。
オプションのカバードコールも利益固定する方法のためトラリピのポジションに保険をかけることができるのでは?と思いまずはサクソバンク証券のデモ取引でオプション取引の検証を行ってみました!
オプションのカバードコール!?マニアックな感じ・・・カメ
オプション取引とは
まずオプション取引ですが、奥が深いので基本の基だけ書きます。
簡単に言うとオプション取引は権利の売買になります。
例えば1/20現在でドル円のレートが100 USDJPYだったとします。
このレートが1ヶ月後にどうなるか??予想できますか??
経済ニュースに詳しい方なら、バイデン大統領に決まってトリプルブルーが濃厚、財政出動により長期金利は上昇するはず、ブルームバーグのニュースをよく読んでおこう!
恐らくこの辺でドル円のレートは上がるはずふむふむ・・・・
テクニカルに詳しい方ならさてさてエリオット波動論でも使ってフィボナッチ引いたら下落は0.382で分割して戻り目標値は・・・・・・・・ふむふむ・・
などと。。
色々予想できるかもしれませんが、僕には全く合いません。
だからこそ相場を予想しないトラリピが性に合ってます。
トラリピは予想しない手法だから精神的に楽!
一方、オプション取引は株やFXのポジションに保険をかけることができます。
保険で損失を抑え上がっても下がっても良い状態を作るという発想は相場を予想しないトラリピとコンセプトが少し似てますね。
例えばもし1ヶ月後に最低でも105USDJPYのレートで1万ドルを調達したい場合、ドル円レートはもっと値上がりしているかもしれませんよね?
コスト的にどうしても105USDJPYを超えないレートでドルが欲しい場合を考えてみてください。
ものすごく不安になりますね。
その不安を解消するために1万ドルを1ヶ月後に105 USDJPYで買える予約券を売買する取引がオプション取引です。
このとき一定の価格で買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションと言います。
そして、この一定の価格は権利行使価格、 期日は権利行使日と言います。
オプションの買い手は期日(権利行使日)になったら決められた価格(権利行使価格)でオプションの売り手から強制的に取引することができます。
例えば、先ほどの例で1ヶ月後に105USDJPYを買うコールオプションの取引の場合
期日を超えたら、オプションの買い手は権利行使価格(105USDJPY)で1万ドルをオプションの売り手から強制的に買う(コールオプション)ことができます。
このときドル円がたとえ90USDJPYだろうが、110USDJPYだろうが実際の価格に関係なく強制的に権利を執行できることなります。
もちろん、価格が105USDJPY以下だったら権利を執行する必要がありません。
なぜならば、105USDJPY以下でドル安くを購入できるからです。
ここまで書くと、なんだかオプションの買い手が得して売り手は損するように思えませんか?
買い手は自分の欲しい価格で商品を買う権利を持ってて値段が高ければ権利を執行すれば良いので売り手にメリットが無いように思えます。
ところが、きちんと売り手にもメリットが存在します。
オプションの買い手は権利を買う、つまり売り手に権利価格を事前に支払う必要があります。
そして、売り手は事前に権利価格を受け取ることができます。
先ほどの例で行くと105USDJPYに到達しなければ、買い手は権利を執行しないので売り手は権利価格を受け取った分得をします。
この権利価格のことをプレミアムと言って買い手はプレミアムを売り手に予め支払う必要があります。
オプション取引はある対象の価格に対して保険をかける取引になります。まとめると以下のようになります。
<オプションの買い手>
<オプションの売り手>
オプションの利益と損失の関係
オプション取引は怖い、複雑というイメージがあります。それは次の4つの損益分岐の特徴があるからでしょう。
<コールオプションの買い手と売り手の関係>
<プットオプションの買い手と売り手の関係>
保険をかける側の買い手はプレミアを払う代わりにまさかの時も指定価格で取引ができる権利を有します。
保険を提供する売り手は保険料を貰って最初に固定利益を得ますが、もし無限大の損失が発生してもその損失を支払う義務が生じます。
売り手にとって発生する損失の可能性が無限大なんて恐ろしい気もしますが、
そもそも投資する= 無限大の損失を受け入れるということです。
仮想通貨なんてその最たるもので昨日まで100万円だったものが、次の日には電子クズになってたなんてことも実際にあります。
ちょうどこの日にビットコインが-100万円の下落だったカメ!
肝心なのはその発生のしやすさを意識しながら運用するということではないでしょうか?
オプション取引は単体で取引するよりも現物株や為替ポジションを組み合わせて上手くヘッジする戦略があります。
それが冒頭でも触れたカバードコール戦略です。
カバードコールとは
カバードコールとはオプションの中でも最も初心者向けの戦略で、株やFXのポジションを保有しつつ同量のコールオプションの売りを持つ戦法です。
例えば、1ヶ月後にA社の株を少なくとも1,000円/1株で売りたいと思った際、現状は800円/1株だったとします。(100株持ってた場合)
- 手順1現物株の保有現物の株を購入します。
現物は 800円/1株 × 100株 = 8,0000円必要です - 手順2コールオプション売りコールオプションを売りで保有します。
コールオプションのプレミアムが100円だったとすると最初に
100円(プレミアム) × 100枚 = 10,000円を受け取ります。このコールオプションの権利行使日は1ヶ月、権利行使価格は1,000円だとします。
これで準備完了です。
少し複雑ですが、損益分布は以下のイメージになります。
<現物+コールオプションの合成ポジション>
1ヶ月後になった際には4パターンの状況が発生します。
カバードコールの結果
パターン❶の利益 → プレミアム + 株利益
コールオプションの売りを保有したので最初に10,000円を受け取ります。
権利行使価格1,000円を超えると株価が1,500円だろうが2,000円だろうが1,000円での買いに応じる義務が発生します。
仮に期日に1,500円に株価が上がっていた場合、現物資産を保有していなければ、
1,500円の株を仕入れ行使価格の1,000円での買いに応じる(売る)必要があり
-500円/1株 × 100枚 = 50,000円の損失です。
合計すると10,000円(プレミアム) – 50,000円(株損失) = 40,000円の損失です。
ですが、カバードコールなら最初に800円で現物の資産を保有しているので、手持ちの資産を1,000円の行使価格で買い手に渡せば良いことになります。
よって、1,000円/1株(行使価格) – 800円/1株(取得価格) = 200円/1株の100枚分の利益なので
200円/1株 × 100枚 = 20,000円の売却益を獲得できます。
プレミアの利益と合わせると10,000円 + 20,000円 = 30,000円の利益ですね!
ですが、そもそもオプション取引をせずに現物だけ持っていたら
1,500円/1株 – 800円/1株 = 700円の100枚分の70,000円の利益だったので
この場合は現物だけ持っていた方が高い利益を得られます。
とは言ってももともと1,000円で売りたかった株を800円で仕込めてプレミアムも貰っているので十分お得です。
パターン❷の利益 → プレミアム + 株利益
1番旨味のあるパターンになります。
例えば、原資産が950円に上昇したとします。
この場合も受け取ったプレミア10,000円はそのまま利益ですが、行使価格は超えていないので権利は放棄されます。
権利行使日になっても持っている現物はそのまま自分の物として存続します。
現物はもともと800円で仕入れしているので売却した場合、
950円/1株 – 800円/1株(取得価格) = 150円/1株の利益を得ることができます。
150円/1株× 100株 = 15,000円なので
合計すると10,000円(プレミアム) + 15,000円(株利益) = 25,000円の利益です。
もちろん売らないでそのまま持っておくことも可能です。
現物を持っているだけなら15,000円の利益だけでしたが、プレミアム分の利益が得しました。
パターン❸の利益 → プレミアム – 株損失
現資産価格が750円に下がったとします。
もし現物だけを持っていた場合は800円/1株(取得価格) – 750円/1株 = -50円/1株なので100株分だと
-50円/1株 × 100株 = -5,000円の損失ですが、
プレミアムを100円受け取っているのでその分の保険があり-100円/1株までの損失ならカバーできます。
よって、100円/1株(プレミアム) × 100株 = 10,000円分の損失までは受け取ったプレミアム分の方が多いのでトータルで利益になります。
この場合のように-5,000円の損失があってもプレミアムと相殺すると
10,000円 – 5,000円 = 5,000円の利益です。
このことからコールオプションを売ることで原資産の損失をカバーするのでカバードコールと言われます。
パターン❹の損失 → プレミアム + 株損失
原資産価値が受け取ったプレミアム以上に下がるとトータルで損失になります。
受け取ったプレミアムは100円なので-100円を超える部分が実際の損失になります。
例えば、600円になった場合を考えると
損失額は600円/1株 – 800円/1株(取得価格) = -200円/1株
100株分なので200円 × 100株 = -20,000円の損失です。
受け取ったプレミアムは100円/1株 × 100株 = 10,000円
相殺すると-20,000円 + 10,000円 = -10,000円の損失になります。
ですが、損切りしないでそのままガチホしてもOKです。
ここで注目したい点は
もし現物だけを持っていた場合、-20,000円の損失が100%発生するのに対して、オプションのプレミアム分だけ損失を抑えることができていることです。
パターン3同様、現物を単体で持っているよりも損失を抑えることができています。
以上が値動きのパターンでしたが、まとめると次のようなメリットがあります。
デモ口座で検証してみた!
ということで、実際にデモ取引をして検証を行ってみました。
今回はCADJPYで取引してみました。
なお、デモ取引にオススメする口座はサクソバンク証券ぐらいしかありません。
株(日経225先物)のオプション取引は1000枚単位なので非常に高額です。FXなら1万通貨から取引ができます。
ですが、デモ口座で取引できるとなるとサクソバンク証券ぐらいしかなくて消極的な選択肢です。
サクソバンク証券はこちらから口座開設できます。
取引の方法ですが、まずコールオプションの売りを保有します。
通貨量、期日、権利行使価格を選らんで売りをタップします。
次にFXのポジションを持ちます。ほぼ同時に同じ通貨量で買いポジションを持ちます。
以上で期日になるまで待ってみました。
結果は次のようになりました。
<1回目>
1/6 に下記保有
81.18(現物取得レート)
81.18(コールオプション売り取得レート)、1,800円(プレミアム)、81.2(権利行使価格)
↓
1/9 0:00のレートは81.77( > 81.2)だったため権利行使される。
利益は1,800円 + (81.77 – 81.2) × 10,000万通貨 = 2,000円
<2回目>
1/12 に下記保有
81.636(現物取得レート)
81.230(コールオプション売り取得レート)、2,300円(プレミアム)、81.65(権利行使価格)
↓
1/16 0:00のレートは81.541( < 81.65)だったため権利放棄される。
利益は2,300円 + (81.636 – 81.541) × 10,000万通貨 = 2,300円 – 950円 = 1,350円
<3回目>
1/18 に下記保有
81.146(現物取得レート)
81.154(コールオプション売り取得レート)、1,540円(プレミアム)、81.150(権利行使価格)
↓
1/21 0:00のレートは82.078(>81.150)だったため権利行使される。
利益は1,540円 + (81.146 – 81.150) × 10,000万通貨 = 1,580円
というように裁量取引が苦手でもある程度利益が出ました。
利益に上限はあるものの損失をカバーできるので適当にポジションを取っても安心感はありますね。
ですが、その一方でデメリットもあるということがやってみてわかりました。
カバードコールのデメリット
ポジションに保険をかけることの出来るカバードコールは非常に素晴らしい戦略です。
ですが、デメリットとして感じたのは次の点でした。
❶ 必要な資金が多い
色々探してみましたが、オプション取引は1万通貨が最低取引単位のようです。
これだと必要証拠金が5〜6万円程度かかります。
加えて通常のポジション&オプションの証拠金が必要なので実際には2倍の必要証拠金が発生します。
もちろんロスカットに備えて多めに資金を追加するとすると最低でも10万円は必要です。
❷ レートが下がった際は塩漬けポジションになる
プレミアムである程度補填されてるとは言え想定以上にレートが下がってしまうと、損切り若しくは塩漬けになります。
トラリピではよくあることですが、1万通貨のポジションなので沢山抱えてしまうとやっかいです。
よって高値掴みしないこと、マイナススワップになるポジションは持たないことなど対策が必要です。
以上がデメリットとして感じた点です。
まだ始めたばかりなので検証を進めて使える!?取引なのか追って行きたいと思います。
最北投資ブログでは他にもdポイント運用
仮想通貨のピラミッド積立
ユロポンの手動トラリピ
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