【重要】手動トラリピの経費を見積もりしよう〜トラリピ資金管理術〜

手動トラリピ経費解説記事 FX
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こんにちは、りゆうです。僕が運用している手動トラリピについて、前回のブログでは資金管理が面倒というデメリットを説明しました。

 

【徹底解説】手動トラリピのメリットとは!?〜マネースクエアのトラリピとの違い〜
FX自動売買で有名な手法、マネースクエア社のトラリピを手動で行うメリットについて解説!メリットだけではなく、デメリットを効果的に解消する方法も紹介しています。

 

トラリピは運用開始時点でレンジを決めて、レンジ内に注文を並べていきます。しかしながら、注文数を増やしたり設定を変更していくうちに資金管理が複雑になり混乱することがあります。

今回はその解消方法をお伝えします。ちなみにどのFX会社でも考え方は同じです!

 

結論としては

1本の注文に必要な金額
 必要証拠金 + ロスカットまでの距離
(購入レート × 購入量 × 1/25) + (購入レート – ロスカットレート) × 購入量

の合計が余裕資金です。それでは解説に移ります。

 

1本の注文にかかるコストを見積もる!

 

手動トラリピ経費解説挿絵1

トラリピはイフダン注文の集合体でした。

(例)

100円/ドルになったら買い、101円/ドルになったら売る
99円/ドルになったら買い、100円/ドルになったら売る
98円/ドルになったら買い、  99円/ドルになったら売る

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

ということは、1つ1つの注文に必要な経費を全て合計すれば合計経費がわかることになりますね。

 

100円/ドルになったら買い、101円/ドルになったら売る X円かかる!
99円/ドルになったら買い、100円/ドルになったら売る  Y円かかる!
98円/ドルになったら買い、  99円/ドルになったら売る  Z円かかる!
→ X + Y + Z = 全ての注文に必要な経費の合算が合計経費になる!

トラリピの費用は1本の注文費用の総和

 

なのでまずは1本の注文に必要な経費を計算してみたいと思います。

必要証拠金とは?

 

例えば100円/ドルのレートを買う場合を考えてみましょう。

FXでは100円/ドルで何単位ドルを買うか決める必要があり、1単位買うことを1通貨買うといいます。

100円/ドルで1通貨買う = 100円で1ドル分買ったことになる。

1ドル100円で必要な金額

 

ところが1通貨だととても少額なので1万通貨を1単位としてることがほとんどです。

そして多くのFX会社では0.1万(1,000)通貨を最小単位としています。

では仮に0.1万(1,000)通貨を買った場合、いくら必要になるかというと

100ドル/円 × 1,000通貨 = 10万円 です!

101ドル/円 × 1,000通貨 = 10,1000円です!

 

1ドル100円で1000通貨買った場合の必要額

 

おっと、結構な金額ですね。1つの注文に10万円が必要なら10本で100万円です。

トラリピは注文本数が多くなりがちなので、多くの資金が必要になりますね!

ところがFXにはレバレッジという概念があります。
これは証拠金という担保を預ければ、金額以上に大きな取引ができるという仕組みです。

FXになじみのない方だと怪しさ抜群ですが、資金を効率良く投資できる仕組みです。
逆に言うとこの仕組みをよく理解して見積もりすることでリスクをコントロールすることができます。

FXでは資金の最大25倍までの取引が可能、逆に言うと最低1/25の金額で取引ができます。

なので、先ほどの例では

 

100 × 1,000 = 10万円必要なところ

100 × 1,000 × 1/25 = 4,000円が最低必要な金額になります。

 

ぐっと資金が少なくなりましたね。

この最低必要な金額のことを必要証拠金といいます。
そして、これ以上の含み損が出るとロスカットといって強制決済され手元には証拠金しか残りません。

よって、含み損が出てもロスカットされないように、ある程度十分な資金を口座に入れておき、口座を維持する必要がありますね!

 

FXの取引は必要証拠金以上の資金を用意する必要がある!

 

ですが、ここで1つ疑問があります。
本来10万円必要なところ、最低必要額は4,000円なら、実際はどのくらいの金額で運用すれば良いか気になります。

 

1ドル100円で1000通貨買う場合に用意する金額

 

ロスカットレートを決める!

 

手動トラリピ経費解説挿絵2

 

ロスカットを防ぐためにどの程度の金額が必要なのか?

大事なことは、あらかじめロスカットされるはずのレートを決めておくことです。

ロスカットレートを65円/ドルとしても良いし、60円/ドルとしても良いでしょう。

人によって考え方は千差万別ですが、

仮にリーマンショックが明日起こったとして、65円/ドルになることを仮定します。

そうなった際に発生する含み損は

 

100円/ドル – 65円/ドル = 35円/ドル分のマイナスなので1000通貨分ポジションを持っていれば

-35 × 1,000通貨 = -35,000円分の含み損が発生します。

 

この場合、35,000円の含み損があってもロスカットされない かつ 証拠金が必要。

 

すなわち

 

35,000 + 4,000円 = 39,000円以上の資金があればロスカットされないということになります。

 

まとめると

必要な金額
= 必要証拠金 + ロスカットまでの距離
= (購入レート × 通貨量 × 1/25)+ (購入レート – ロスカットレート)× 通貨量

 

になります。

 

かめ
かめ

金額がハッキリすると不安も解消されるカメ〜

 

何よりも大事なポイントはロスカットレートを予め決めるということです。

またあくまで個人的な考えですが、

 

想定しているレンジ内で全ての注文を持つのに必要な経費のみを見積もった運用はおすすめしません。

 

例1 100円/ドル〜95円/ドル 値幅1ドル

 

5本の注文を並べるのに必要な資金は2,9400円だが、

ロスカットまでぎりぎりでの運用

 

全ポジションを持った後、余裕が全然無い!

 

例2 100円/ドル〜95円/ドル 値幅1ドル
(ロスカットレートを90円/ドルにした場合)

 

ロスカットまで余裕資金で運用

 

全ポジションを持っても、ロスカットレートまで余裕がある!

 

手動トラリピ経費解説挿絵3

いかがでしたでしょうか?ポジションを持つための資金ではなく、ロスカットされないための資金管理をした方が安全ですね。

また、他によく誤解しやすい説明として

 

証拠金維持率 何% 以上にする
レバレッジを何倍以内に抑える

も安易におすすめしません。

 

なぜなら維持率もレバレッジもその時のレートによって、リアルタイムに動くものなのでいくら入金すれば維持率が何%になるか?レバレッジが何倍になるか?は固定できるものではありません。

 

証拠金維持率 → レートが下がれば維持率も下がる
レバレッジ  → レートが下がればレバレッジは上がる

 

寝ている間でも枕を高くして運用ができることができ、かつある程度のレバレッジをかけた効率の良さを追求したいものです。

 

大事なことは全ポジションを持った後、自分で想定したロスカットレートまで下がった際にいくら必要なのか?を想定しておくことです。

 

かめ
かめ

最悪のシナリオを乗り切る管理を想定するってことカメね!

 

また、最悪のシナリオ(ロスカットレート)は人によって違います。
仮に明日リーマンショックは起こらないだろうから、90円/ドルが最低ラインとして運用してもいいと考えても、それはその人の考え方なので強ちダメでは無いです。

 

しかしながら長期運用が前提のトラリピの場合、最悪のシナリオを想定しても乗り切れるような見積りが大事と僕は考えてます。

実際にこの記事を書いた数ヶ月後にコロナショックが発生、ギリギリで運用していた方にはロスカットされた方も多かったと思います。

ロスカットレートは人によって違う!
最悪のシナリオを想定する!

 

最終的な余裕資金を見積もる

 

以上より次のような場合を見積もってみます。

 

例3 100円/ドル〜95円/ドル 値幅1ドル
(ロスカットレートを65円/ドルにした場合)

 

ロスカットレートを65に設定した場合の余裕資金

 

注文合計資金は179,400円あれば大丈夫ですね!

 

かめ
かめ

これなら注文が増えても、ロスカットレートを変更しても必要な金額がわかるカメ〜!

 

以上で手動トラリピに必要な経費の見積もり方の記事は終わりです。

 

最後にもう一つ疑問が生じます。
確かに経費はわかったけど、でも手計算は大変だ!!って思います。

そしてこの手間を軽減するために、次回はグーグルスプレッドシートで楽に管理する方法を紹介します。

 

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